年の瀬ですね 年越しの行事を忙しくても霜焼けでも海外にいても、一つひとつ片付けてその雰囲気を楽しんで過ごします
小学校の頃は冬のスポーツを気にしながら大掃除をしたり、冬休みの友をしながら餅つきをしたり、というのはついた餅を丸くして「つけこ」にしたり打粉をしてのし棒で伸ばして・・・カレンダーを付け替えて神棚をきれいにして氏神様のお札をつけて 成人してからもおせち料理を作って、お正月のお花を飾って、洋画を見て新しいセーターを買って、大晦日には甥と卓球したり犬と一緒に除夜の鐘を撞きにお寺さんへ行ったり、時折紅白を見たりして年を越していました
お勤めをいていた2000年は2000年問題が心配で職場にお節を持参して年越し! なんてこともありました
今年9月、ちょうど猛暑の中やすみの雨で少し涼しくなった頃、18年一緒に年越しをしていた犬が旅立ちました
4月に転んだ後ちょっと息が荒いことが気になって獣医さんに見ていただいてから5ヶ月、命が終わるその時まで寄り添うことができたことはとても幸運でした
この時の診察の結果は、心音に雑音があり心臓の弁が弱っているとのこと。手術をしたり検査をすることよりも旅立ちの時まで楽しい日々を過しましょうということに落ち着きました。
お世話になった和田先生はペットと飼い主にとって何が一番幸せで納得のいく治療なのかを常に考えてくさださいました。苦しまないように、苦しむ姿を見ないように、ペットも飼い主もストレスが少ない治療をと話し合った結果、心臓のお薬を毎日、呼吸が楽になるように苦しそうな時には利尿剤を適宜、食が細くなっているので食べたいものを好きなだけ食べられるようにする、とにかく食べていたらよしとする!それで行きましょう、そして
「もしかしたら、その日は明日かもしれません、準備をしておいた方がいいと思います」という覚悟もしておいた方がいいということを確認しました
まずは2週間、次の2週間、また1週間、薬をもらいに行くたびに「がんばってますね」と声をかけてくださる獣看護士の千明さん、千明さんに会うのも愛犬Pにとっては楽しみの一つでした
ただ、7月に入ると車に乗ることも猛暑で危険ということと、だんだん体力も衰えてきましたので、私一人でお薬をもらいに行くことが増えました
体力は衰えても気力はまだまだ衰えず、大好きな散歩には行きたくて、でも暑くて息苦くて、そんな時には短時間でも回数を増やすことで楽しい時を過ごします。
もともと3.4キロを行ったり来たりと小さなミニピンでしたが8月には2キロになっていました。2、3日あまり食べられない時もあればウインナーを食べてトントンと階段を降りてきたりと元気な時もあります。シャインマスカットの葡萄棚の下でのんびりしたり桃畑でおやつをもらったり、川原で山羊に驚いたりする日もあり、ただこちらは人懐っこいヤギが少し怖かったようですけれど
それでも日を追うごとに横になっている時間が増え下のお世話が必要になってきました。力むことが難しく排泄がなかなかできなくなってきたことと痩せたためオムツがゆるゆるなのでどうしてもお布団が汚れてしまいます。私も夜に何度も起きるため寝不足の日が続きます。
9月に入りました。調子がいい日に大好きな和田先生と千明さんに会うため動物病院へ行きました。歩くことは難しかったので抱っこをしたままの診察でした「よくがんばっているね」「すごいね」と褒められてとても嬉しそうでした。先生の励ましのおかげで穏やかな日々を送れていることをお伝えできたこと、しっかり生き抜いている愛犬の様子をご覧いただけたことに、私自身、安心しました。
和田先生に出会うまで愛犬Pは診察が難しい犬とされていました。獣医さんが触れようとすると「ウー」と唸りときには噛みつこうとします。普段は触れられることが大好きで誰にでも甘えるのですが、病院が苦手なのか診察室に入ると怖がってしまい威嚇するように唸り声、獣医さんも無理に触れずに私が抱いたままだったり看護士さんと協力しながら診察するという状態でした。
「いい先生がいるから行ってみたら」と勧められて出会ったのが和田先生でした。
「はーいこんにちは、ちょっと体重測りましょう」とおっしゃってひょいっとPを抱っこして「はい、いい子だね」と診察台に乗せられた時の愛犬のキョトンとした顔、「先生、この子は今までどの獣医さんにも抱っこNGで、でも先生の抱っこ大丈夫みたいですね」「本当に! 大丈夫よね。(と犬の顔を見て)いい子にしてますよ」「すごい!できたね。じゃよく診てもらおうね」「はい。ではここからはお任せいただいてお母さんは外でお待ちください」
診察後は「よく頑張りましたよ。たくさん褒めてあげてください」その声を聞いて愛犬はご機嫌です。
必要なければ検査はせず、状態の説明を密にしてどのように対応したらいいか助言してくれて、薬の量も相談
しながら出していただいて飼い主もペットも「診てもらってよかった」とほっとしながら帰路につきました。
信頼できる獣医さんに出会えたことは幸運なことです
スポイトでお水やチュールを与え、身体を支えながらの数十歩の散歩、それでも苦しい表情はなく穏やかな優しい顔でこちらへ身体を預けてきます。そしてある日、便の排泄が始まりました。お水を与えても飲み込まず、少しづつ排泄をして首が座らなくなって、そろそろかと抱っこをして撫でながら小さく息をする愛犬を見つめていました。そしてそのまま静かに息をひきとりました。
悔いが残らないようにと過ごしたつもりですが、どうしてもあの時こうしていたらと思うことが出てきます。拾ったばかりの頃のこと、歯肉炎になった時のこと、躾のこと、ただ、ここに綴りました最期の治療のことに悔いはありません
話を聞いてくれてアドバイスをくれた美容室Airyの店長のおかげでお互いに無理なく納得のいく方法でお別れできました
周囲の方、出会った方に大変愛された犬でした
可愛がっていただいていつまでも子犬のような無邪気なまま旅立ちました
最期を見届けたことが潔くお別れして日常に還っていく上で大切なことだったように思います。時折淋しくなりますが今こうして手足を動かして新たな日々を送っています
年の瀬に年越しの準備がちっとも進まない言い訳をそろそろ終わりにいたします
そして
ずっと我慢していた猫を愛でながら、そろそろ年越しの準備を始めようかどうしようかとと思いつつここに綴りました
皆様、どうか良いお年をお迎えくださいませ
たま拝
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